三朝四朝又朝朝

思ったことなどを徒然に・・・・・・
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大河ドラマ 平清盛 第1回 感想
 
1185年 鎌倉

褌姿の男たちが巨大な柱を立てようと綱を引っ張っている。
その様子を見守る一人の男。
その男、源頼朝である。
頼朝の背後には、同様に立ち上がっていく柱を見上げる武士たちがいた。

(私がその知らせを知ったのは、父、義朝の菩提を弔う寺の柱立ての儀式の席だった・・・)

その知らせ・・・

「殿ーっ!」

馬上で、そう叫び声を上げた伝令。
急停止したため棹立ちになる馬。
急ぎの知らせ。

「殿ーっ!」

馬から下りた伝令は頼朝の側へ急ぐ。
その姿を見た武士たちは跪く。
伝令は北条政子であった。

「政子か」
頼朝の前まで歩み寄った政子も跪いた。
「申し上げます。先ほど長門より早馬が着き、三月二十四日、長門の国壇ノ浦にて義経率いる我が源氏勢が平家方を打ち破り、平家一門は次々と海中に身を投じ、申の刻に至り、ついに滅亡せる由にございますっ!」

その知らせに喜ぶ鎌倉武士たち。
「殿、おめでとうございます」と政子が一礼をする。
祭壇に太刀を奉納する頼朝。
それを待っていたかのように平家の事を、そして棟梁であった清盛の事を悪し様に罵り始める一同。
振り返った頼朝は一喝する。

「やめーっ!」

静まる一同。

「平清盛無くして、武士の世は来なかった・・・」

(おかしな事を口走ってしまった・・・と、自分でも思った。自ら平家を滅ぼしておきながら、何を言っているかと。しかし、私は知っていたのだ。海に生き、海に栄え、海に沈んだ、平家という巨大な一門・・・その平家一門を築き上げた男、平清盛こそが、誰よりも逞しく乱世を生き抜いた真の武士であったことを)

テーマ音楽
 ・・・という次第で始まりました平清盛。

今後、物語は、この源頼朝の口から語られていくようですね。確かに頼朝ほど平家という一門の怖さや優しさを知っている人はいないでしょうから適任かもしれません。ただ、ちょっと頼朝を演じている役者さんが若いかなって印象。声の調子ももう少し重厚な感じの方がいいかなと思いました。

印象的だったのがオープニングでした。

投じられた二つのサイコロ。静かに奏でられるピアノ。そのメロディは「遊びをせんとや生れけむ」という今様。その後でタイトルの「平清盛」が表示されます。そのタイトル表示が消えると森の中を駆けていく少年。舞い踊る白拍子たち。矢を射ようと構える清盛。武者たちの群れ。再び転がるサイコロ。そして、これらが断片的に繰り返されます。白拍子たちの映像の雰囲気から春夏秋冬を感じます。で、森を抜けた少年は海辺へと。断片的に挿入される武者。焼け跡と貴族。無邪気な子どもたち・・・。矢を放つ清盛。謡われる「遊びをせんとや生れけむ」という今様。テーマ音楽が終わるとともに、出たサイコロの目は「一と六」。

うーむ、何を表しているのだろうか・・・いろいろと考えてしまいました。

まず思ったのは、権力の絶頂にいた白河法皇が思いのままにならぬと言った「賀茂川の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」ですね。この「天下三不如意」の一つが双六の賽、つまりはサイコロの目。院政や摂関政治という朝廷の秩序を乱した清盛を象徴しているのかなとか思ってしまいました。貴族たちの思いのままにならなかった清盛って感じでしょうか。

それから、出た目が「一と六」。サイコロの一って天で六は地を表すんですよね。サイコロの目は「一天地六東五西二北四南三」と決まっているわけで、その「一と六」ですから象徴的です。「天」と「地」とくれば、その間に生きている「人」がきますよね。この時代の天と地の間で生き抜いた様々な人々、その代表としての「人」である清盛ってことでしょうか・・・。

あるいは、「山法師」っていうのは延暦寺の僧兵のことで、これは神意、即ち、天意であり、賀茂川の水は水害を象徴とする自然を意味し、これは地、双六の賽をふるのは人、とも言えるわけで、どのような目が出るかは分かりませんけど、その賽をふるのは人の意思ですもんね。人は生きていく上で、どうしても「賽」をふらなければならない場面に遭遇しますが、その出た目に対してどう振舞うかっていうところでしょうか。

そして、この「一と六」が出る直前に謡われる「遊びをせんとや生れけむ」という今様。この今様はテーマ音楽の最初ではピアノ。最後に子どもの歌声で繰り返されているんですよね。ここに、様々な悲喜劇が起こるであろう人生というものを肯定的に捉えようというテーマが込められている感じがしました。

なかなか考えさせられるオープニングでした。

これ以降、清盛誕生の経緯、少年となった清盛が父(このドラマでは養父)忠盛や海に憧れを抱く状況、出生の秘密の暴露、アイデンティティの喪失などが描かれていきます。

一番驚いたのが、白河院ご落胤説を「積極的」に採用した点でした。なんせ少年清盛に出生の秘密を教えたのが京の街中で盗みをしている浮浪の少年ですから・・・。これでは秘密も何もあったもんじゃありません。知らぬは本人ばかりなり、ですよね。
この設定は良かったのか・・・。うーむ、ここまで周知の事実となると、今後、清盛のやる事為す事、すべて白河院の影が付いて回りますよね。周囲の人々は清盛を腫れ物にでも触るような感じで接することになりはしないでしょうか。生まれながらの特別扱いって感じになりますよ。秘密を知る人がもうちょっと限定的で良かったかもしれません。

で、この秘密を教えた少年は父(盗賊の朧月)を清盛の養父である忠盛に討たれているという因縁付きです。これは興味深い設定ですね。清盛の人生にどう関わっていくのか面白そうです。

清盛の実母は白拍子の舞子。

白河院が溺愛しているのが義理の娘である璋子。その璋子は白河院の孫の鳥羽帝に嫁いだのですが、病に伏せてしまいます。その原因は陰陽師に言わせると白河院が孕ませた舞子のお腹の子らしい。白河院は璋子のために舞子に子を流すように命じたが舞子は子を守るため逃亡。そして、偶然出会った忠盛が舞子を助けるっていう設定。

うーむ、これはちょっと苦しいかも。これは後に変な展開になってしまいましたね。白河院はお腹の子さえ始末すれば良かったわけですが、何故か母親の舞子の命を奪ってしまえ、っていう展開になってしまいます。で、忠盛に舞子を斬れと命じるのですが、これは「???」でしたね。

この時代の貴族たちは「血」を嫌っているわけです。それは怨霊や祟りを恐れているからで、死刑も長年に渡って行われていない時代なんですよね。
このドラマの冒頭でも貴族が血を如何に嫌っているか描かれてました。白河院の命で盗賊を討ち取り戻る平正盛・忠盛父子が関白藤原忠実と街中で出会うのですが、その時、関白は「血の匂いがすると思ったら、やはり武士でおじゃったか」と蔑むわけです。そして、血の付いた衣服のままの忠盛に「そのような血まみれの姿で都を歩くでない」とまで言うのです。そういうのを描写しておきながら、貴族の頂点に立つ白河院が「斬れ」と命じるのは変ですよね。それも院内でですよ。

結局、舞子は忠盛の窮地を救うべく、自ら刃を抜いて院に迫り、数本の矢を受けて命を落とすわけですが・・・。

どうせなら、平家の屋敷に舞子と子が匿われていることを源為義が発見し、白河院に報告。白河院は為義に「そのまま捨て置け」と命じる。しかし、功を焦った為義は盗賊一味に話を付け忠盛と舞子を襲わせる。舞子死亡。っていう流れで良かったかも。源為義は色々と不始末の多い人物でしたからね。
それか、舞子だけ島流しされるとか(笑)その結果、成長した清盛は母の面影を海に求めるようになるとか・・・。
あるいは、舞子に嫉妬した璋子が舞子を追い出すために仕組んだのが真相とか・・・。でも、そこまで行くとドロドロの泥沼となって別のドラマになっちゃいますよね(笑)

まぁ、白河院自身が「斬れ」って命じたのは違和感ありでした。でも、ドラマとしては、これくらいの設定は許容範囲でしょう。

見せるところは見せてくれましたね。
例えば、オープニング直後の時代背景から平氏や源氏の武士たちの状況、忠盛や為義の人物設定の描写など、なかなか良かったです。

そして、演じている役者さんたちが秀逸でした。

白河院を演じた伊東さんの怪演ぶり。繊細で壊れやすそうな雰囲気を出した三上さんは鳥羽帝。院政や摂関政治が崩れた原因を作ったのは、やはり、この二人だと思いましたよね。そう見ている者に思わせる悪役ぶりでしたよ、白河院(笑)で、繊細そうな鳥羽帝。これは切れた時が怖いよなって思ってしまいましたよ。

で、この第一回は忠盛と舞子が良かった。
忠盛は中井貴一さん。腕が立ち謹厳実直な青年を見事に演じてましたね。
舞子は吹石一恵さん。美しく力強い女性でした。この回だけで終わりとは惜しいです。この二人の遣り取りは良かったです。

清盛誕生のシーン

馬小屋に飛び込んだ忠盛の目には生まれたばかりの赤子と女。
「まさか・・・その赤子は院の・・・」
その言葉に女は短刀を振り上げ忠盛に飛び掛る。
「無理をいたすな!赤子を産んだばかりの体でっ!」
忠盛にねじ伏せられた女。
女は忠盛の隙をついて赤子を抱き上げにげる。
追い詰める忠盛は腰の刀に手をかける。
「頼むから大人しくしてくれ。悪いようにはせん」
目を見開き忠盛を見た女は赤子に目を移す。
女は赤子に刃を振り上げる。
「この子を捕らえられて殺されるくらいなら、今ここで二人とも死ぬるわ!」
女を張り倒す忠盛。
「母が子を殺そうとするは何事だ!死んでも子を守るのが母の務めだろっ!」
女も言い返す。
「何を言うか、武士のくせに!平気で人を殺す生き物のくせに」
「何だと、この女・・・」
「その薄汚い太刀で、どれだけの命を奪ってきたのだ」
「武士が太刀をふるうのは務めだ。王家の命に従っているまでだ」
「つまらぬ・・・」
「お前こそ何だ!白拍子あがりではないか」
「それが」
「舞を、謡を、挙句には体を売って高貴なお人に取り入る。そんな下賎な女に罵られる筋合いはないっ!」
「下賎とは聞き捨てならぬ!」
「そっちが先に俺の太刀が薄汚いと」

赤子が泣き声を上げる。
うろたえる忠盛。
赤子に乳をあげる女。

うむ・・・良い場面でした。

忠盛にしても白拍子の女にしても、命の大切は分かりきっています。お腹の子を守るため必死で逃げた女。その瀕死の状況の女を助けた忠盛ですから。
その二人が互いに罵りあう。武士も白拍子も己が身につけた芸を売っているに過ぎません。生きるために。
互いに罵倒しあうことで、互いの罵声が彫刻刀となり、互いの生き方を浮き彫りにしているような感じでした。それは決して自分の生き方に恥じていない二人の心意気というか誇りをも感じましたよ。

忠盛が舞子と子を匿うシーン

女のところへ食事を持っていった忠盛は女から問われる。
「何故匿う?私たちを差し出せば院から恩賞がもらえるのではないの」と。
忠盛は言う。
「俺とて己の務めに誇りを持ちたい。罪無き赤子を死なせて、何が武士の誉れか・・・食え、食わねば赤子にやる乳も出なくなる」
躊躇する女。
お椀を取り上げ女に差し出す忠盛。
「食えっ!」
口をつける女。
女は急いた様に粥を流し込む。
その様子を満足気に見た忠盛は立ち去ろうとする。
その背中に女は告げる。
「舞子・・・舞子と申します」

貴族から番犬扱いされているけど、その牙はあくまでも誇りとともに剥きたいという忠盛。
母としての誇りを取り戻した舞子。
ここで初めて舞子は自分の名を名乗るわけですね。

武士とは何かと迷った忠盛に舞子が今様を歌うシーン

屋敷に戻った忠盛。
洗濯をしていた舞子。

「そんな事は侍女にやらせればよい」
「よいのです。世話になるばかりは性に合いませぬ。ほら、それも」
舞子は忠盛が持っていた衣服を取ろうとする。
「いや、これは・・・」
「よいのです・・・」
二人の目に衣服に付いた血の跡が・・・。

「・・・取れぬのだ。洗っても洗っても。体に染み付いた血の匂いが・・・」
舞子はそれに答えず、その衣服を洗い始めた。
忠盛は入口のところに座り込む。
「働けば働くほど、俺たち武士は汚れていく。何のために太刀をふるっているのか・・・」
舞子が謡いだす。
「遊びをせんとや 生まれけむ・・・戯れせんとや 生まれけむ」
「何だその歌は?」
「今様にござりまする」
「流行り歌か・・・のん気な歌だな・・・遊ぶため、戯れるため、生まれてくるとは・・・生きる事は子どもが遊ぶように楽しいことばかりではない」
「されど、苦しいことばかりではありませぬ。子どもが遊ぶときは時の経つのも忘れて、目の前の事に無心になっておりまする。生きるとは、本当はそういうことにござりましょう。嬉しい時も楽しい時も・・・また、辛い時や苦しい時さえも。子どもが遊ぶみたいに夢中になって生きたい。そういう歌だと思って、私は歌うております」
「夢中に・・・生きる」
「いつか分かるのではござりませぬか。夢中になって生きていれば。・・・何故、太刀をふるうのか。何故、武士が今の世を生きているのか」

忠盛から匿われ食事を与えられて救われた舞子。
今度は舞子が迷った忠盛に道筋を見出させるって感じですよね。

遊びをせんとや 生まれけむ・・・戯れせんとや 生まれけむ・・・

このドラマのテーマのようです。
自分の出生の秘密を知ってしまった少年清盛。
今後、どのように遊び戯れるのでしょうか。
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