三朝四朝又朝朝

思ったことなどを徒然に・・・・・・
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「JIN -仁- 完結編」・・・ある時間管理人の告白その5
はじめに
 
「ある時間管理人の告白その4」の続きです。
 
「JIN -仁- 完結編」についての、ちょっとしたお遊びということで・・・。
したがって、「JIN -仁- 完結編」を見たことのない方には、全く意味不明だと思います。
 
時間管理人と名乗る不思議な老人と出会った私。いろいろな話を聞いたわけですが、結局、この怪しげな老人の正体は・・・。
もうお分かりですよね(笑)
老人の正体
 
私は、感動のあまり涙が止まらず鼻水まで垂らしてしまった。
「しょーがねーなー。これでも使いなよ。ここに来る途中、タダで配ってたのをもらったやつさ」
老人はそう言うと、懐からポケットティッシュを取り出し、私に渡した。
「ああっ、これはすみません」
私はティッシュで涙を拭い、鼻をかんだ。
「すみません。みっともないところ・・・。ところで、御隠居さん、あなたは一体・・・」
顔をあげた私は言葉を飲み込んだ。
 
老人が消えていた・・・。
 
私は周囲を見渡した。
店には私しかいなかった。
 
私はマスターに聞いた。
「マスター、ここに座っていた御年寄りは?」
マスターは不思議そうな顔をした。
「えっ・・・そのテーブル席はお客さんしかいませんでしたけど・・・」
「・・・」
「お客さん、大丈夫ですか?本を読んでいたら、独り言を言い出して、突然、泣き出したりして・・・何かあったんですか?」
「・・・いや・・・ちょっと思い出したことがあってね・・・」
 
私は呆然とテーブルの上を見た。
10円玉とポケットティッシュが置いてある。あの老人が持ってきたものだ。
「!」
10円玉の場所が変わっている。私が家から持ってきた文庫版「竜馬がゆく」のページが開かれ、その上に置かれていたのだ。確か、あの老人はテーブルの上に置いたはずで、その後は、老人も私もその10円玉に触れていなかったはず・・・。
栞のように、開かれた本の上に置かれた10円玉。
私は10円玉の置かれたページを見た。
 
『竜馬がゆく』のそのページには、次のような文章が書かれていた。
勝海舟の紹介で龍馬と西郷の初めての出会いときのものだ。

『・・・とにかく、勝には、妖精のにおいがする。そのいたずらっぽさ、底知れぬ知恵、幕臣という立場を超越しているその発想力、しかも時流のわきにいながら、神だけが知っているはずの時流の転轍機(てんてつき・・・鉄道の線路を分岐させたりして車両の進路を変えるシステム・・・管理人より)がどこにあるかを知っている。さらに、竜馬と西郷という転轍手を発見し、さりげなく会わせようとするあたり、この男の存在は、神が日本の幕末の混乱をあわれんで派遣したいっぴきの妖精としかおもえない。・・・』(司馬遼太郎『竜馬がゆく』より)
 
あの老人は勝海舟・・・。
 
司馬遼太郎は勝海舟を「妖精」と表現したが、実は「時間管理人」

・・・まさかね。

いや、物的証拠として10円玉とポケットティッシュがある!
いや、いや、いや、いや・・・今は平成23年である。平成22年の10円玉を私が持っていても何ら不思議ではない。
「証拠にはならないよな・・・」
私はコーヒー3杯分の代金を払い店を出た。
「あの老人、いつの間にコーヒーをお代わりしてたんだよ・・・まったく・・・」

日が西に傾き、綺麗な夕焼け空が広がっていた。
「こんな事、誰かに言ったって信じてもらえんだろうな・・・」
夢と現実の狭間を彷徨っているような気分だった。
残されたのは10円玉とポケットティッシュ・・・私にとっては証拠だけど、他人から見れば普通の10円玉とポケットティッシュ・・・。
私は、あの老人に騙されたのだろうか・・・。
自然と笑いが込み上げてきた。
私は急いで家へと向かった。
 
きっとこのままでは、私はいつか全てを忘れてしまう。
この笑いのわけまでも失ってしまう。
なぜか耳に残っている修正力という言葉。
私は、この思い出を無きものとされてしまう気がいたしました。
ならばと、パソコンを起動し、キーボードを叩いた次第にございます
 
「ある時間管理人の告白」・・・完

 
あとがき
 
私の妄想話に最後までお付き合い戴いた方、ありがとうございました。
 
"歴史の修正力"・・・ドラマでよく出てきた言葉ですが、もし、この歴史の修正力が人格を持っていたら?と馬鹿なことを考えたのがはじまりです(笑)
で、司馬遼太郎が勝海舟のことを妖精と評していたことを思い出し、上は将軍様から下は市井の人々と親しく話が出来て、幕臣でありながら薩摩や長州に対する人脈をも持っている・・・やっぱり勝海舟が適任だろうと思った次第です。
 
ドラマの勝海舟で印象的な場面としては、官軍が江戸に迫り、西郷との会見を明日に控えた勝海舟が不安を覚え、仁にアドバイスを求めるシーンです。
 
「先生、これだけ教えてくれ。江戸は火の海になるのかい?ならないのかい?これが禁じ手だってことはよく分かってんだ」
勝の真剣な様子に必死で歴史を思い出そうとする仁。
「火の海・・・火の海・・・」
しかし、ここで何かに気付いた仁。
「・・・でも、それって、勝先生次第じゃないでしょうか?」
その言葉に、ニヤリと笑った勝海舟。
「そう・・・そうだよな・・・」
 
この会話で海舟は「禁じ手」という言葉を使っていますが、これは、明らかに仁が未来から来た人間ということを前提にした言葉でしょう。で、不安の余り、ついつい仁にどうなるか聞いてしまったという場面でした。
 
でも、この場面を時間管理人として見ると、仁のことを試したのかなとも思えてきます。もし、仁が「大丈夫です。火の海になりません」などと答えていたら、仁は消されたかもしれないなぁ・・・でも、「勝先生次第じゃないでしょうか?」と答えたことで「こいつは大丈夫だ。自分の立場をわきまえてる」と思い、ニヤリと笑ったのだろうか・・・などと妄想が・・・(笑)

そして、西郷との会見で、海舟は西郷に言いました。

「あんた、勘違いしてるよ。おいらがあいつを真似してんじゃねえ。あいつがおいらの真似をしてんだよ。あいつとおいらは一緒なんだよ。あいつは終わっちゃいねぇんだよ・・・西郷さん」

これも時間管理人として見ると、龍馬は仁の脳腫瘍に取り憑いた状態だったので、「あいつとおいらは一緒なんだよ。あいつは終わっちゃいねぇんだよ」っていうのは言葉通りなわけで・・・(笑)なんとなく辻褄が合ってたりして面白く思いました。
 
「JIN -仁- 」というドラマは、終わった後も、いろいろと楽しませてくれるドラマですね。
 
実際の勝海舟は、明治後、元幕臣でありながら海軍卿などを歴任しました。そのため元幕臣の一部からは批判されましたが、元幕臣たちの生活の世話など、いろいろ気を配っていたようです。
薩長が主流の明治政府に対しても批判的で、日本の公害問題の最初ともいえる足尾鉱毒事件についても政府を批判していました。元幕臣だけれども、明治政府に対しても一種の強面がきく独特の位置にいたといえます。
 
海舟の念願は、最後の将軍である徳川慶喜の処遇にありました。明治31年に、ようやく慶喜が明治天皇に謁見することが実現されましたが、海舟はそれを見届けてこの世を去ります。最後に江戸と明治のケリをつけた感じですね。
 
勝海舟、本当に不思議な人です。
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