三朝四朝又朝朝

思ったことなどを徒然に・・・・・・
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
日曜劇場 「JIN -仁- 完結編」 第11話 最終章後編(最終話)感想・・・東京編(橘咲よ、永遠に!)
JUGEMテーマ:JIN -仁-
 
仁が東京に戻るまでの流れは完璧でした。
しかし、東京に戻ってからですが・・・。


 ドラマの流れとしては、一応綺麗にまとめた感じでしたね。

人間ドラマとして見た場合、綺麗な終わり方と言っていいでしょう。
龍馬(脳腫瘍)との実質的な別れ、仁の人間としての成長、咲の感動的な手紙、ミキの再生・・・。それぞれ個別に見た場合、上手くまとめられていました。

タイムスリップなどの謎の部分も、パラレルワールド、心臓移植に見られる人格への影響の症例、バニシング・ツインなどなど、一応理論付けされて、特に拘りがない場合、問題ないでしょう。

もちろん、細かく考えていくと、いくつかの矛盾はありますが・・・。
それをここで細かく挙げるつもりはありません。

私としては、そういうSF的な部分よりも、仁と咲がどうなるのかという方が気になってましたから、仁が江戸時代の自分の痕跡を探して、次々と事実が明らかになる描写は良かったし、最後に咲の手紙を読んで仁が涙する場面も良かったです。感動できました。

でも、1つだけ疑問を感じたことがあります。

それは、江戸時代の仁の痕跡を消してしまったこと・・・。

そのために、いろいろな齟齬が生じましたが、最大のものは咲に関してです。
仁と咲が一緒になることはないだろうと思っていました。
今までのドラマの流れからすれば、咲の数々の台詞からすれば、それは推定出来ました。
しかし、咲が仁の記憶まで無くすとは思いもしませんでした。

咲の願いは、(1)仁友堂を守ること、(2)仁から授けられた医術を継承すること、(3)安寿に託した想い、などですが、記憶を無くすことで、これら全て失いました。

(1)仁友堂を守ることに関しては、咲は仁友堂から身を引き、実家に橘医院を開業するという形になってしまいました。
っていうか、そもそも旗本の娘である咲が医術の道を志したきっかけはどうなったのでしょうか?そのへんも曖昧になってしまいましたよね。

(2)仁の医術の継承もされてません。結局、咲は仁友堂を去り、橘医院で小児科と産科の産婆さん扱いという形になってしまいました。
これは仁から授けられたというより、野風出産の際に自ら習得したもののように思われます。確か、野風出産前に赤ちゃんを取り上げるシーンがあったと思いますが、あれは産婆さんのところで修業していた描写だと思われます。(仁は産科の経験が殆どありません。外科、それも脳外科が専門です)

あっ、もちろん産婆さんだからどうの、と言うつもりはありません。あくまでも咲の願いとして見た場合、産婆さんは、ちょっと違うかなっていう意味です。
産婆さん自体、立派な仕事ですし、特に江戸時代では大名行列を横切っても切り捨てされない特別な存在なんですよね、産婆さんは。

この咲の状況を考えると、私は楠本イネのことを連想してしまいます。
楠本イネは、幕末の日本の医療に多大な貢献をしたシーボルトの娘として日本で誕生した人です。シーボルトが帰国した後、日本に残されたイネは、シーボルトの弟子である日本人の医師たちの手で医学を教えられました。つまり、日本人女性で初めて西洋医学の知識を身につけたといえるわけです。
しかし、明治後、イネは女性初の正規の西洋医学の医師にならず、産婆さんとして過ごしたのです。ちょっと寂しい明治期を過ごした感じなんですよね、イネは。
咲の状況と似ている気がします。ドラマのスタッフは楠本イネのことを参考にしたのかもしれませんね。


(3)安寿に託した想いも曖昧となりました。

安寿が生まれたとき、咲が安寿に語りかけた場面がありました。
咲の切実な想いが良く描かれている名場面といえるシーンでした。

「あなたはね、私の恋仇をお作りになる方なのですよ。私としたことが、大変な方を取り上げてしまいました。あなたに、一つだけお願いがあるのでございますよ。どうか南方仁という方に、傷つくことが多いあの方に、誰よりも幸せな・・・今度は、誰よりも幸せな未来を、与えてさしあげて下さい」

こういう想いも消えてしまったということになります。

つまり、咲にとって、安寿は知り合いの子で、特別な難産で仁友堂の医師たち(もちろん仁はいません)の助けを借りて生まれた子という意識しかないはずです。で、両親(野風とルロン)が亡くなり、その希望もあって養子にしたということでしょう。
もちろん、安寿に対して最大の愛情を注いだでしょうが、意味合いが異なってきます。

記憶を無くすっていうことはそういうことだと思います。

咲の記憶に残っているのは、仁の断片的なものだけです。
思い出そうとすると、霞がかかったような状態になり、顔も名前も思い出せず、しかし、確かに恋をした、誰かを愛した、という記憶はある・・・これでは、咲は、他の誰かを愛することもできません。咲が生涯独身を通したということも頷けます。

仁は咲の手紙を読むことができました。
しかし、咲はそのことを知る由もありません。
ただ、自分の記憶の中にそっと留めておくために、手紙にしたためたということです。
誰に読まれるとも分からない手紙、まるで、ボトルメールを海に流す無邪気な子どものようではありませんか。
手紙を書き終えた時、咲が見せた純真無垢な笑顔、切なすぎました。


せめて、咲だけでも仁の記憶を残すことは出来なかったのでしょうか・・・。

咲なら、仁の記憶が残っていても耐えられたはずです。
明確な意思を持って、仁友堂に残り、仁の医学を継承し、発展させたはずです。
それが未来にいる仁に対するメッセージになると信じて・・・。
安寿に対する想いも、より一層深くなったはずです。
未来に対する使者としての意味合いをも認識したはずですから。
そして、仁だけに分かるようなメッセージを残したはずです。
咲は、そういう女性として描かれてきたはずなのに・・・。

咲だけでも仁の記憶を残すチャンスがあったと思います。
それは、上野戦争で咲が被弾したとき。
出血多量となった咲は仁から輸血を受けるという設定は出来たはずです。
龍馬から血や脳漿を浴びた仁が龍馬の声が聞こえるようになるという設定があったので無理はないはずです。

しかし・・・しかし、ドラマは、この方法をあらかじめ否定してるんですよね。

第4話で・・・仁はA型、咲はO型・・・orz

というわけで、私としては、明治における咲のことを想うと、悲しくて、切なくて・・・。

それ以外は良かっただけに残念です。

最後に、余談です。

橘という氏は、歴史好きの方には「源平藤橘(げんぺいとうきつ)」を連想すると思います。日本古来からの4大名族をまとめた表現ですよね。
源氏や平氏、藤原氏に比べ、橘氏はマイナーですけどね。
今、大河ドラマはちょうど秀吉の時代をやってますが、豊臣氏っていうのは、この源平藤橘に次ぐ5つめの氏として創設されたもので画期的な事だったんですよね。
まぁ、大河ドラマの事はどうでもいいですが(笑)

で、植物としてのタチバナは日本固有の柑橘類で、その葉が常緑であることから、日本では古来より「永遠」の象徴とされてるんですよ。
文化勲章のデザインですが、当初は桜が有力だったのですが、昭和天皇が「散る桜より永遠の橘にしてはどうか」という御提案をされて「文化の永遠性」を表すことになり、勲章のデザインに橘が採用された経緯があるほどなんですね。

橘咲・・・永遠に咲きつづける、という意味を持つんですよね。

どこに咲きつづけるのか・・・それは言うまでもありません。

咲の心情を端的に表しているのは、やはり、これ、ですね。
Rhythmedia公式のチャンネルです。



このビデオ・クリップは2番を省略した短いバージョンです。
2番の歌詞は
♪〜
もう二度と逢えないことを知っていたなら
繋いだ手をいつまでも離さずにいた
「ここにいて」と そう素直に泣いていたなら
今もあなたは変わらぬまま私の隣で笑っているかな
〜♪
なんですよね。
仁が東京へ戻る前の最後の二人のシーン、あの美しいシーンが重なりあって、泣けてきます。

ご存知の様に、この歌、前シリーズの主題歌です。あの当時はいろいろ解釈できたのですが、完結編が終わった今、咲の心情そのものですよね。
まるで野風の万華鏡の模様が変わったかの様に、この歌の描く情景も一変しましたよ。
あらかじめ、ここまで計算していたとしたら・・・恐るべし!ドラマ制作陣、ですね。

これで、ひとまず、「JIN -仁- 完結編」の感想はおしまいです。
コメント
from: sogoodso   2017/03/10 5:53 AM
素晴らしい。。。
from: 淡月   2017/03/12 2:46 PM
sogoodso様、コメントありがとうございます。

かなり前の記事で恐縮です。
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://goro.fumufumu.biz/trackback/401943
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.