三朝四朝又朝朝

思ったことなどを徒然に・・・・・・
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日曜劇場 「JIN -仁- 完結編」 第11話 最終章後編(最終話)感想・・・上野戦争編
JUGEMテーマ:JIN -仁-

最終回は、内容がてんこ盛りだったので、感想も簡潔にまとめることができません。
もともと簡潔にまとめることが苦手ですが(笑)
と言うわけで、今回は「上野戦争」までの感想です。
 人々の笑顔

新政府軍が駐留した江戸。

大政奉還後、幕臣たちの中には様々な思いが渦巻く。
新しい道を模索するもの、倒れゆく幕府に愛惜を感じるもの、忠義を通そうとするもの・・・。

医学所の松本良順は、会津に集結しつつある幕臣たちと行動を共にすることを決意。
そこで、もしもの時は、医学所の指図を仁に依頼する。

江戸時代の終わりを実感する仁。同時に、残された自分の命の時間を意識せざるをえない。

最後に俺が出来ることは何か?
そう思いつつ江戸の町を歩く仁の目には、いつもと変わらぬ人々の日常。
「笑った人が多いです。ここの人たちは笑うのが上手です」
そう龍馬に語った仁の言葉通り、町は笑顔の人、人、人・・・。
「優しゅうて、馬鹿正直な人間が笑ろうて生きていける国」
龍馬が目指した新しい国のあり方・・・江戸の人々の笑顔を見て、仁はそれを思い出していたのかもしれませんね。

政治の舞台でその実現を目指した龍馬。
自分は医者として・・・。

仁は考えた末、仁友堂の一同に告げる。
「私が死んだら実物を見て欲しいんです。知り合いの体を切るというのは良い気持ちはしないと思いますけど・・・。私が皆さんに残せるのは知識だけです。だったら、出来るだけのものを残したいんです。この脳も腫瘍も役に立てたいって言うか、役に立ててほしいって言うか、私の死を、皆さんの手で、出来るだけ意味のあるものにしてほしいんです。私がそうしてほしんです」
戸惑う一同の中で、咲だけが返事をした。
「はい!」と・・・。

笑顔のない男

良順、仁、咲をはじめとする仁友堂の一同・・・明確な意思の元、自分の道を選択した者たち。
しかし、道に迷っている者もいる。

橘恭太郎・・・。

恭太郎の見せる笑顔は、作り笑いという印象しかない。
「三河以来の旗本」である橘家の嫡男の重圧を恭太郎はずっと感じていたのだろう。
そこに、別の負い目が加わってしまう。
龍馬の死のきっかけを自分が作ってしまった事実。

「前を向きませんか、恭太郎さん」という仁の言葉。
「官費留学はどうだい、前を向けよ、恭太郎!」という勝海舟の言葉。
恩ある二人の先生からの言葉。
だからこそ、逆に、余計に、二人の先生の言葉を素直に受け止められない。
それは、その恩ある二人の先生にとって、かけがえのない人物である龍馬の死をもたらしてしまったから・・・。

龍馬に刃を向けたのも、元はと言えば、「三河以来の旗本=徳川に忠誠を尽くすべき家柄」の嫡男としての責任感から。
それならば、自分は忠義の道しかない。
恭太郎は、上野の彰義隊に参加することに・・・。

上野戦争

彰義隊と「隊」がついていますが、当初から戦闘部隊として結成されたのではないんですね。
江戸へ戻った慶喜さんは、朝廷への恭順の意を示すため、江戸城を出て上野の寛永寺に謹慎したのですが、それに同情した幕臣の一部が慶喜さんの世話をしようと集まったのが始まり。
でも、集団というのは、ある一定限度を越えると勢力となってしまいます。反政府軍となることを恐れた慶喜さんは寛永寺を脱出、残された者たちは、いつしか反政府的な色合いを濃くしていった。それが彰義隊。

この扱いに苦労したのが勝先生。市中の治安を守るという名目を掲げているし、彰義隊は江戸市民の間にも人気もありましたから。
慶喜さんから幕府の後始末を一任された勝先生は、とにかく、江戸から勢力を分散させようと苦労したようです。新撰組に甲府の城を取れとかけしかけたり、榎本武揚は幕府海軍の軍艦を率いて江戸から脱出しますが、こういう動きの裏には勝海舟の意図があったような気がします。やっぱり凄いです、勝海舟は・・・。

官軍と幕府軍が全面的な総力戦とならなかったのは、慶喜さんや勝海舟のお陰でしょうし、その元は大政奉還です。龍馬の働きは決して無駄にはなっていないんですよね。

官軍から幾度となく解散の説得をされましたが、彰義隊は応じなかった。そのため、ついに戦争へなりますが、この時、官軍を指揮したのが大村益次郎。大村は、江戸を火の海にしないという方針の元、あらゆることを計算していきます。天候、風向き、早期に終結させるため包囲網の一箇所を開けて逃亡しやすくして徹底抗戦させない、などなど。で、計算どおり僅か1日で終わらせるのですから・・・軍隊としてのまとまりがない彰義隊は勝てないですよ。

咲と佐分利が恭太郎を連れ戻すために雨の中を走っていたのも、実は、雨の日に攻撃するという大村の計算が背景にあったんですよね。
で、二人が戦場近くまで近づけたのも、一箇所だけ逃げ道を作っておくという大村の作成があったからかなと個人的には思いました。
ちょうど官軍に押されて退却していく恭太郎を発見してましたしね。
こういう細かいところの演出、歴史好きにはたまりません(笑)

砲撃の音が江戸の町に響いていましたが、逃げ惑う市民の中で福沢諭吉が塾で授業をし続けたというのは有名な話ですが、面白いのは、官軍の最高指揮官である大村、そして、砲撃が鳴り響くのに授業をし続けた福沢、二人とも、前シリーズで仁の最大の理解者であった緒方洪庵の弟子なんですよね。官軍と旧幕府軍最後の戦いである函館戦争で官軍相手に戦った大鳥圭介も同じく洪庵の弟子。洪庵先生の影響力、半端じゃないです。
まぁ、ドラマとは関係ありませんが・・・。

で、ドラマの方ですが・・・。

恭太郎に話がしたいと橘家を訪れた仁と咲、付き添いの佐分利。
彼らが目にしたのは、門前で呆然と立ち尽くす恭太郎と咲の母親である栄の姿。

栄の脳裏には、昨夜の恭太郎の様子が思い出されていたでしょう。
栄の手料理を「今日は格別においしゅうございます」と言って、腹いっぱいに食べる恭太郎。
揚げ出し豆腐を見て「まぁこれは咲の方が上でございますが・・・」と冗談を言う恭太郎。
その咲のことで「そろそろ敷居をまたぐごとを許してやっては」と気遣いを見せる恭太郎。
恭太郎なりに別れを告げ、後始末をお願いしてたんですね。

栄の口から恭太郎が上野の彰義隊に参加したことを告げられた三人。
兄を連れ戻そうと駆け出す咲に栄は「行ってはなりませぬ」と止める。
「恭太郎は、悩み抜いた末、この道を選んだのです。お前にも分かるでしょう。徳川様と共にという気持ちは!」
旗本の奥方として生きてきた栄の言葉。
振り返った咲。
「兄上は生きねばなりませぬ。尊いお方を死に追いやったというからこそ、傷付こうと泥にまみれようと、這いつくばって生きねばなりません」
咲に駆け寄り、その腕をつかむ栄。
「行かないでおくれ、咲っ。後生です。行かないでおくれ、お前まで!」
涙を流し、咲に訴える姿は母親としての栄であった。

麻生祐未さん、短いシーンでしたが良かったです。
心打たれましたよ、私は・・・。

「兄と共に必ず戻る」と言って駆け出した咲。それを追う佐分利。
見送った栄は涙ながらに感情を吐露する。
「恥をさらそうが生きることこそ・・・これからは、そのような世が来るのでしょうか?私どもが信じてきた道は間違いだったのでしょうか!」
「そうは思いませんけど・・・恭太郎さんは一つだけ大間違いをしていると思います。恭太郎さんの誇るべきことは・・・」
と笑顔で言った仁。

その間違いとは・・・。誇るべきこととは・・・。

戦場にて・・・それぞれの生き様

恭太郎を見つけた咲は、流れ弾に当たってしまう。
駆け寄ってきた恭太郎に咲は言う。
「兄上、咲は甘えてばかりでございました。己れのことばかりに捉われ、兄上のお気持ちを思いやることもせず、これからはご恩返しがしとうございます。ですから、どうかお戻りいただけませぬか」
「私にはもう生きる値打ちなど・・・」
佐分利が吠える。
「死ぬんやったら、南方先生にことわってからやろ!『助けてもろた命ですけど、捨ててええでっか』って!」
顔を上げ、佐分利を見る恭太郎。
「ちゃいますかっ!」
咲に目を移す恭太郎。
恭太郎は咲を背負い、戦場から離脱していく。
そこへ野戦の治療所を設けた仁友堂の先生たちの姿が・・・。

個人的には、咲は医師として上野戦争に関わるのかなっと思ってました。
そこで、仁が現代に戻るきっかけができるという流れかなっと・・・。
しかし、咲は栄の娘として、恭太郎の妹として、戦場へやってきました。
橘家の再生のためには、この演出で良かったと今では思っています。
いつもは絶妙の間で笑わせる佐分利先生でしたが、今回は気迫の一喝でしたね。
ルーキーズのテーマが聞こえてきそうでした(笑)

仁友堂のみならず幕府の医学所(蘭方)までも動員をかけた仁。
幕府は彰義隊を認めたとの誤解を受ける恐れがあると勝海舟は仁に文句を言いに来た。
そこへ医学館(本道)の多紀先生が弟子を引き連れてやって来た。
「医者は医の道を歩くのみ。治まらぬものを治めるのが政の道であろう。南方殿、我らは鉄砲傷をも縫えん。しかし、役に立てることがないわけでもなかろう」
その言葉には、さすがの勝海舟も認めざるを得なかった。

多紀先生、その人格は高潔で見識も高くて立派です。仁友堂の危機のときは多紀先生が救いの手を差し伸べてくれてるんですよね。

野戦治療所に運ばれ、ベッドに横たわりながら咲は恭太郎に言った。
「夢を見ているようでございます。蘭方の医師と本道の医師が共に手を取り、治療に当たるなど・・・こんな日が来るなど・・・」
この言葉は、今後の咲の生き方を暗示しているのかなと思っていましたが・・・違ってましたね。

水運びの手伝いをする恭太郎に仁は声をかける。
「初めて会った時、恭太郎さん、私に何て言ったか覚えてますか?恭太郎さん、あの時、『橘家を守るために死ぬわけにはいかない』って、私にそう言ったんです。恭太郎さんはずっとそうなんですよ。恭太郎さんが命がけで守ってきたものは、徳川じゃない!橘の家なんじゃないですか?」
その時、手当てを受けた旗本が現れる。彼は恭太郎を彰義隊に誘ったものであり、龍馬を共に襲撃したときの同僚であった。
「橘ーっ、戻るぞ。徳川の死に様を見せつけてやろうぞ!」
恭太郎は言い切る。
「私の誇りは徳川のために死ぬことではございませぬ!ここで水を運びます」
同僚は、刀の柄を突き出し、恭太郎に当身を食らわす。倒れこむ恭太郎。
「腰抜けがっ!」
同僚はそう言い捨て、体を引き摺る様にして戦場へと戻っていった。
「大丈夫ですか、恭太郎さん」
駆け寄った仁。
「・・・腰抜けでございます」
照れ笑いを浮かべた恭太郎。
恭太郎に笑顔が戻った瞬間であった。

拾った命を再び戦場へ捨てに行く幕臣。
別の道を見出す恭太郎。
ただひたすら命を拾うことに専念する医師たち。

このドラマは、この光景を淡々と描くだけです。
誰が正しくて、誰が間違っているとは言えないからでしょう。
どこかの大河ドラマのように「戦は嫌」という安易な価値観を押し付けることはありません。
名も無い兵士たちや医師たちの生き様を視聴者に提示するのみです。
見ている側が、どう思うか、どう判断するか・・・。
それだけ視聴者のことを信頼しているという姿勢がうかがえます。

医者は患者の命の長短を左右できる神ではなく、患者の生き方を支えるものの一つに過ぎない。
第5話の歌舞伎役者の話に相通じるものがありますね。

クオリティ・オブ・ライフ・・・。
いかに生きるか・・・。

このドラマは、主人公の仁を通して、一つの解答をさり気なく示してくれてました。
「人々の笑顔のために・・・」

橘恭太郎もようやくそこに辿り着いたみたいです。

戦争終了後、勝の元を訪れた恭太郎。
「南方先生が、龍の字(龍馬のこと)に見えたのかい?」
「戦うのではなく、共に手を取り合い、新しい世を目指す・・・お二人が目指されていたのは畑は違えど、同じことだったのではないかと・・・」
そう言いながら、船中九策の九条目の文言を見つめる恭太郎。
「そうかい。生きてるってぇのは、ありがてぇなぁ、恭太郎」
「はいっ!」

良かったね、恭太郎さん。
でも、「JINパート1」から思えば、長い道程だったよ、恭殿・・・(笑)

素晴らしいドラマですね。
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