三朝四朝又朝朝

思ったことなどを徒然に・・・・・・
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Trackback Short Story
 人様のブログなどを読んでると、一緒になって感動したり怒ったり笑ったり悲しくなったりと、いろんな感情が自分の中で沸き起こってきたりします。

 「ある女子大生の秘め事」という面白いブログにエントリされた記事の中に「人間、生きていかんといけん。面倒だのぅ。」という言葉がありました。「うーむ、深いよな〜。これはどういう場面で使えるだろうか・・・・・・」などと考えているうちに、どうせなら同じ記事の中に出てきた「夏の終わり」「入道雲」も使って、落語の三題噺みたいになると面白いかもなどと思いつき、出来上がったのが次の短いお話です。Trackback Short Story とでも言えばいいのでしょうか・・・・・・。
 同ブログにコメントとして投稿したものですが、若干改稿してこちらに再掲載させていただきました。
===========海辺にて===============

 いつも乗るはずの電車に乗らず、私は砂浜へ足を踏み入れた。
 会社には後で病欠の電話でも入れておけばいいだろう・・・・・・。私はそんなことを思いながら、行く当てもなく砂浜を歩き始めていた。
 電車からいつも見ている風景の中に自分がいるのは不思議な感覚である。

 夏の間は喧騒に包まれるこの海岸も夏の終わりの早朝は波の音が静かに響いているだけである。燃え残った花火のあとが物寂しげに見えた。砂に半分埋まりかけた子供のサンダルが片方だけ波に洗われている。
 海水浴に来た子供が忘れたものだろう。このサンダルの持ち主は、きっと、帰ってから母親に叱られたに違いない・・・・・・。
 そんなことを想像していると、自然と微笑が浮かんできた。

 防波堤のところまで来ると、ひとりの老人が釣をしていた。
「釣れますか?」
 私は老人の背中に声をかけた。
「うーむ、釣をしていると言うより」
 老人は振り返らず答えた。
「ただ波を見ているのです」
「波を・・・・・・」
 私は海に目を向けた。朝陽を受けてキラキラと波が輝いている。水平線の向こうには入道雲が湧き出ていた。
 老人は私の格好を一瞥して言った。
「おたくは今からご出勤ですかな?」
「えーと、そのつもりだったのですが、なんだか海を見たくなりましてね・・・・・・」
「ほう」
 老人は私の顔を見上げた。
「・・・・・・少し生きていくことに疲れたのかもしれません・・・・・・」
 そう言いかけて、私は言葉を失った。初めて出合った見も知らぬ老人に言うべきことでもないのかもしれない。老人の雰囲気が私にそう言わせたのだろうか。何の抵抗感も無く、自分の心の奥底にあることまで言えそうな気がしたのであった。
 私の想いを破るように老人は呟いた。
「リズムです」
 私は聞き返した。
「リズム?」
 老人は頷いた。
「そう、リズムです。目を閉じて感じてごらんなさい。あなたの背中には御日様のぬくもりが感じられるはずです。耳には寄せては返す波の音が聞こえているはずです。陽は昇り沈みます。波は寄せて、そして、返っていきます。あの入道雲も沸き出て、そして、消えます。それが生きるということです。だから、生まれた以上は消えるまで生きなければならんのですよ。あの波のように。」
「・・・・・・」 
「ただ・・・・・・」
「ただ?」
「人はすこしばかり余計なものを背負い込んでいるかもしれません。それでも、人間、生きていかんといけん。面倒だのぅ。ほっほっほっ」

 目を開けると、老人の姿はどこにも見えなかった。陽が先ほどより少し高くなったが、波は相変わらず穏やかに寄せては返っている。
 私はネクタイを外し、防波堤に腰をおろし、老人が残した釣竿を持った。

===============了===============

 「ある女子大生の秘め事」作者のゆう様、感謝してます。
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